大腸内視鏡検査の有用性

女性のがん死亡原因第1位、男性で第3位である大腸がんの早期発見には、定期的な内視鏡検査が重要です。当院では、患者様が安心して検査を受けられるよう、痛みの少ない大腸内視鏡検査を提供しています。

早期発見が大切

早期の大腸がんは内視鏡治療で治癒可能ですが、初期段階では自覚症状がほとんどありません。 無症状の方でも便潜血検査を受けることで、早期発見が可能です。

ポリープとがんの関係

多くの場合、大腸がんは良性のポリープががん化することで発生します。ポリープを内視鏡で切除することで、がんの発生を予防できます。

大腸内視鏡検査の推奨

便潜血検査で陽性となった方、大腸がんの家族歴がある方、過去に大腸ポリープを切除した経験がある方は、大腸内視鏡検査が推奨されます。

このような方には大腸内視鏡をおすすめします

  • ・便に血が混じる、または便器が血で染まる場合
  • ・慢性的な便秘や下痢
  • ・便が細くなった
  • ・残便感がある
  • ・腹痛・腹部膨満感
  • ・持続的な腹痛
  • ・お腹が張る
  • ・検便で便潜血が陽性と判定された場合
  • ・原因不明の貧血
  • ・短期間で体重が大きく減少した場合
  • ・粘り気のある鼻水のようなものが便に混ざる場合

その他、特に症状がなくても大腸カメラをおすすめするケース

  • ・50歳以上の方
  • ・大腸がん・ポリープの家族歴がある方
  • ・家族に大腸がんやポリープの既往歴がある場合は、リスクが高まります。
  • ・過去に大腸ポリープを切除した方
  • ・ポリープが再発する可能性があるので定期的な検査が推奨されます。

これらの症状やリスク要因に該当する方は、早期に医療機関を受診し、大腸カメラ検査について医師と相談することをおすすめします。

当院の大腸内視鏡検査について

発熱外来

挿入途中に大腸が張って苦しくなることがありません
大腸がしぼんだ状態で内視鏡を進めるため屈曲部の角度が鈍化するので
大腸を押される苦痛も少なくなります。

当院では内視鏡挿入時に腸を空気で膨らませないまま盲腸まで到達する方法で行っています。 無送気法と呼ばれる手法ですが私は千葉県の東葛辻仲病院で勉強させてもらい、その後自身で工夫を重ねて現在の手技になりました。
人口も多くなく、便利な立地でもない当院が毎年1000件以上の大腸検査数を維持しているのは この内視鏡挿入方法が従来の方法に比べて格段に楽な検査だからだと自負しています。
適切な鎮静剤使用、炭酸ガス送気システムなど 苦痛を少なくするための工夫を常に意識して技術の向上を図ってきました。

検査の流れ

1.事前予約

大腸カメラは事前の予約が必要です。お電話またはインターネットで予約をおとりください。
また検査の1週間前までに 事前診察にお越しください。

2.検査前日

検査前日の食事は検査食(大腸カメラ用の食事セット)を推奨しています。検査食は 検査前受診の際にお渡ししています。
検査食以外に食べる場合は野菜や果物など食物繊維の多いものは避けてください。
NGな食品は野菜、果物、豆、海藻、キノコ、玄米となります。
寝る前に 指定の下剤をコップ一杯の水で服用します。

3.検査当日

朝食はとることができませんが 糖分を含んだ水分 清涼飲料水は制限ありません。
色がついていても透明な飲み物は問題ありません。スポーツドリンク 紅茶 などはOK
牛乳やヨーグルトは 避けてください。
普段服用されている薬は原則 服用可能です。特に当院から指示がない場合は通常通り服用します。

4.検査当日-大腸洗浄液を飲む-

指定された時間から 大腸洗浄液を飲み始めます。大腸洗浄液はモビプレップ または ビジクリア の2種類を用意しています。
ほとんどの患者様がご自宅での服用を選択されますが 来院後に院内で飲んでいただくことも可能です。服用開始時間は事前診察の際に説明します。

コップ1杯(約180ml)あたり、10〜15分かけてゆっくりと服用します。通常、1.5〜2リットル程度を服用します。

モビプレップ服用中、または服用後に、水分(水やお茶など)を十分に摂取してください。 脱水症状を防ぐために、こまめな水分補給が重要です。
洗浄液を飲み始めてから4時間くらいの間に4~7回程度の排便があり次第に色が薄くなります。 便が透明な液体になるまで服用を続けます。

5.検査当日-受診-

検査着に着替えて検査室へ入ります。大腸の運動を抑える薬剤を静脈注射で投与して 検査が始まります。
鎮静剤を希望される場合は検査開始時に少量使用します。 検査時間はおよそ15分から20分程度です。

6.検査終了

検査が終了したら リカバリー室でしばらく静養します。検査着を着替えて 担当医から説明を受けます。
鎮静剤を使用して検査を受けられた場合車・バイク・自転車の運転はお控えください。

当院の大腸内視鏡検査について

大腸内視鏡検査

当院では 安全に日帰り治療ができると判断した場合には 検査当日のポリープ切除を行っています。
ポリープの数や ポリープの場所 形状 などによって個別に判断しています。
前回の検査から2年未満の検査の場合はほぼ全例に当日の治療ができています。
初回の検査や2年以上の間隔の場合にはポリープの数や大きさが当院での治療可能な範囲を超えることがあるため当日の治療が行えない場合があります。
ポリープの数が多い場合や 大きなポリープの場合など 日帰り治療が困難と判断した場合には 提携病院と連携して治療の手配を行います。

連携病院

大津赤十字病院、琵琶湖大橋病院、滋賀県立総合病院、滋賀医大付属病院、滋賀県済生会病院、大津市民病院
洛和会音羽病院、京都府立医大付属病院、高島市民病院